君は空、僕は風

図書室でお気に入りの作者の新刊がきていないかを確認。
ふと外に目を向けると、スマホを見ながら歩くハルがいて。

横顔が、ふっ、と、溶けた

少し長い睫が、影を落とす

口許がゆるんで、柔らかく弧を描く


―――あぁ、きれいだ。

窓越しに目が合う。
その顔は、恋人へのものから友達へのものへと変わる。
くしゃくしゃの少年の笑顔が見つめてくる。

これがあるべき姿なのだとでも言わんばかりに。



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