有名店の店員さん


その店はゴシック調でこじんまりとしていた

有名店ではあるが、調べれば神奈川県

ド田舎とまではいかないが、都会に比べると静かで穏やかな景色が広がっている

宣戦布告されて、私の恐怖は最高潮だが店自体は怪しくない

むしろ、客がいっぱい出入りしていて人気店そのもの

このドールショップはリアルな人形が有名なのだ

そう

私が気づいた元人間の人形のことだ

けど…

あの『次はお前だ』は冗談でもバグとも考えられない…

「……………」

思案をすればするほど店の中に私は入る勇気がなくなっていた

どうせ、デマだろう

どこかでそう思っていたんだと思う

私は怪談などを調べることをただの暇潰し程度にしか捉えていなかった

だからこそ、『本当の恐怖』というものに震え怯え、それに立ち向かう勇気さえ失われてしまいそうなのだ

…やっぱり、帰ろう

あの名無しのビビりさんには悪いが首を突っ込んでいいことじゃなかったんだ、これは

そう自分に言い聞かせ、帰路に向かい歩いた


つもりだった……


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