有名店の店員さん
「おや、お帰りになられるんですか?」
丁寧にいうその言葉は私には悪魔とも思えた
「お待ちしていたのですよ。矢野唯葉様?」
…名前がバレてる
絶対コイツ…
「人間じゃない?酷いですねー、そんなことございませんよ」
読まれた…?
それにさっき私は帰るために門を潜ったはず…
「はい、そうですよ。だって、僕が貴方を閉じ込めましたから。大変失礼なことはわかっております。ですが…貴方は良い人材なので、是非来て欲しいんです」
振り向けない…
丁寧で優しく愛想のいい声…
でも、動けない
否、動けないのではなく
動きたくても私の体はきづいたら足元に転がっていたのだから
「ありがとうございます。貴方はいまから私の商品第一号ですよ。さぁて、これ全部もういーらない!」
ニコニコと笑う先程と同一人物と思われる店員
しかし、イラナイというそれは
私の死体の他に無数の見るも無惨な死体の山
ネットで調べた
皮膚をはぎとられたもの
目がないもの
他にも髪、手足の一部…
「あははー!あっれー、気になる??あれはねー、失敗作なんだよ」
し…失敗作?
「そ、なんかねー綺麗じゃないんだもん。僕は美しいものが好きなんだ。だから、縫いあわせてカスタマイズするんだよ。着せ替えみたいでしょ?楽しんだよー!それを縫いあわせるの。でもねー、失敗しちゃった…。だから、新しい人材探しにきたの!!」
私は
人材…か
私に今は流れることのない何かが頬を濡らした気がした