ハンナの足跡
 新しい後輩は、普通の子だった。僕は安心して面倒を見た。
 神崎の一件で、僕らは盛り上がった。女三人でどういう風に神崎を玩具にしたのか、朱美は事細かに面白おかしく解説した。僕は笑いが止まらなくて、腹が痛くなった程だ。僕と朋子、西島とハンナ、朱美の五人で、夜まで過ごした。皆一緒に、僕の部屋で眠りに就いた。小さな城に、大人が五人、稲荷寿司に詰められた飯のように、詰まって寝た。このアパートは小さな子宮。僕らは胎児で、その中に守られている。そんな可笑しな夢を見た。
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