ハンナの足跡
「もしもし、俺。」
「あ、先輩。」
「どう、話し合いは終わった?切り付いたか。」
「ええまあ、一通り。」
「ハンナはどうしてる?」
「僕がタクシーで帰らせました。」
「そうか。すぐそっちに行くよ。」
「わかりました。待ってます。」
 二人がどんな決断を出したのか。いずれにせよ、僕は聞き役に回るだけだ。ハンナに深入りしない方が身のためだという、社長の言葉が僕の頭から離れなかった。
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