ハンナの足跡
「確かに俺は意気地無しだ。俺は、ハンナの事となると、コントロールが利かなくなってしまう自分が恐かったんだ。ハンナと付き合って、俺がハンナを傷つけるような事になってしまうかもしれないと思うと、付き合おうなんて考えられなかった。結局俺は、自分が一番可愛いのさ。心中してもいいぐらいの覚悟で、ハンナと向き合う気持ちが俺には無いんだもの。…憐れな外国の少女を、守れるのは俺だけなんだって。俺は自分に酔ってただけなのかもしれないよ。ハンナを本当に救うことなんて、俺には出来っこないのに。」
「先輩…そんなに落ち込まないでくださいよ。」
「いや、いいんだ。俺、唯、側に居てやりたかったんだよ、ハンナの。ハンナは一人でこっちへ来て、友達も居なくて、家族のためとはいえ、あんな身体を売るような仕事してさ…。それでもあいつ、いい子だろ。真っ直ぐで、素直で。」
「先輩…そんなに落ち込まないでくださいよ。」
「いや、いいんだ。俺、唯、側に居てやりたかったんだよ、ハンナの。ハンナは一人でこっちへ来て、友達も居なくて、家族のためとはいえ、あんな身体を売るような仕事してさ…。それでもあいつ、いい子だろ。真っ直ぐで、素直で。」