ハンナの足跡
「だけど、そんな、彼女の両親が許さないでしょう?」
「あいつの両親は金さえ入ってくれば何も言わねえよ。売っちまったのと同じだと思ってんだから。」
「そんな…」
「そんなもんなんだよ。それだけ尋常な状態じゃないんだね、ハンナの国はさ。」
「けど、外国人を養女になんて、簡単に日本で許されるんですか?」
「俺はね、いろんな所にコネ持ってんの。あんたも知ってんだろ、神崎って奴の件。迷惑掛けてくれちゃって、このこの。」
「すいませんでした。あいつのことは…」
「いいんだよ。そんな小さい事はどうでも。大事なのはハンナだろ?」
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