ハンナの足跡
「ハンナ、一足早くお母さんになったんだね。」
「朋子。来てくれて、ありがとう。」
「もう、そんなに弱って、どうするの、赤ちゃんの面倒見られるのは、あんただけなんだから、しっかりしなさいよ。」
 朋子は優しい声でハンナを勇気付けた。
「皆さん、そんなに心配するほどのことでもないですから。赤ちゃん見に行きましょうよ。ね、先輩、朋子さん。」
 西島はハンナの体を気遣って、僕らを赤ちゃんの居る場所へ誘った。ハンナの頬にキスをして、西島も部屋を後にした。
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