ハンナの足跡
「瑠奈、お腹空いたのか?そんなに泣いて。」
 僕は瑠奈が可愛くて仕方なかった。ハンナの事を考えると、思い詰めてしまうので、瑠奈の世話に集中した。ハンナが居ない間は、僕が瑠奈の面倒をみてやる。いつかハンナが元気になって、また帰ってくるまで、僕は瑠奈の面倒をみるんだ。
 西島が、げっそりした顔で病院から戻ってきた。
「どうしたんだ、そんな青い顔して。」
「ハンナ、肺炎だって。」
「また元気になって帰ってくるって。こんな可愛い娘残して、居なくなるわけないだろ。弱気になるなよ、西島。」
 西島は、瑠奈の顔を見ると、顔に血の気が戻っていった。
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