ハンナの足跡
 深夜、突然電話が鳴った。僕は目が覚めた。ハンナの夢を見ていた。
「もしもし。」
「先輩、ハンナが…危篤状態なんです。
 『危篤』
 キトクだって?
「先輩?もしもし?」
「ああ、聞こえてるよ。俺もすぐにそっちに向かう。」
 僕はタクシーを呼んだ。瑠奈を置いて行けないので、冷えないように支度をして、抱きかかえた。よく眠っていてくれて、助かった。
 最悪の状況になったとき、朋子に知らせるために渡して置いたポケベルを鳴らした。
これで、社長にも連絡が行く。
 
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