ハンナの足跡

「私、心配なのは、朱美が、仕事できないくらい、元気がなくて。」
「あんなに騒がしい朱美がか。」
「そうだよ。全然、元気ない。ご飯も、食べない。もう３日も食べてない。」
「そりゃ、まずいんじゃない。」
「マネージャーも心配して、よく面倒見てる。」
「早く良くなるといいな。」
「うん。」
「俺も明日にでも、様子見に行ってみようかな。心配だから。」
「来てくれるの、お兄ちゃん。朱美、喜ぶよ。」
「そうか？西島も連れてった方が喜ぶかな。」
「コウスケ？そうだね、朱美、喜ぶ。」
「じゃあ、連絡取って、西島も行けたら、明日、行くから。」
　ハンナは一通り話して、安心したらしく、来たときよりは大分顔色がよくなって帰って行った。朱美が薬を飲んでいるというのを思い出して、嫌な予感がしたが、一人で居るわけではないしと思い、最悪の事態にならないことを祈った。