ハンナの足跡
西島が控え室に戻るようなので、僕らも会場の外へ出た。控え室の場所は、事前に教えてもらっていた。控え室に続く廊下を歩いていると、試合の熱気がまだ冷めないようで、汗と、少々の血の臭いがした。控え室の前には、西島の所属するジムの関係者が大勢集まっていた。彼らに挨拶をして、西島のトレーナーを探した。僕も指導してもらったことのあるシ高雄さんだ。タイミングよく、僕に気が付いてくれて、僕らは部屋に入ることが出来た。