ハンナの足跡
雪解け
ハンナは部屋に入るなり、座ってからずっと黙ったままだった。
「ハンナ、西島のことを相談しに来たんじゃなかったけ?」
「そう、私、相談しに来た、コウスケの事…」
あいかわらず黙ったままで、僕はハンナがその気になるまで、そっとして置いた。
「…ねえ、お兄ちゃん、私、お兄ちゃんのこと、好き。」
やっと話す気になったかと、ほっとした。
「俺も、ハンナのことは好きだよ。」
「けどね、コウスケの事も好きなの。」
「俺の事が好きだって事とは、また別の好きだろ?」
「私、よく分からないよ。」
「そんなにさ、深く考えることないって。」
「…」
「ハンナは素直だろ。そのまま素直に考えてみればいいんだよ。」
「素直って、正直のこと?」
「そう。真っ直ぐな気持ちだよ。他人に遠慮したりしない気持ちだ。」
ハンナはまた黙ってしまった。
「ハンナ、西島のことを相談しに来たんじゃなかったけ?」
「そう、私、相談しに来た、コウスケの事…」
あいかわらず黙ったままで、僕はハンナがその気になるまで、そっとして置いた。
「…ねえ、お兄ちゃん、私、お兄ちゃんのこと、好き。」
やっと話す気になったかと、ほっとした。
「俺も、ハンナのことは好きだよ。」
「けどね、コウスケの事も好きなの。」
「俺の事が好きだって事とは、また別の好きだろ?」
「私、よく分からないよ。」
「そんなにさ、深く考えることないって。」
「…」
「ハンナは素直だろ。そのまま素直に考えてみればいいんだよ。」
「素直って、正直のこと?」
「そう。真っ直ぐな気持ちだよ。他人に遠慮したりしない気持ちだ。」
ハンナはまた黙ってしまった。