ハンナの足跡
「私、やっぱり、コウスケとは付き合えない。」
「…ハンナはそれで、後悔しないのか。」
「だって、私、恋してはいけないもの。」
「仕事とは別だろう、ハンナ。」
「私、恋したら、社長にも、国の家族にも迷惑。してはいけない。」
「お前の人生なんだよ、ハンナ。ハンナは西島が好きなんだろ?好きなら好きって、言ってやれよ。西島は、真剣にお前のことを思ってるんだ。」
 僕はハンナを叱った。
「お兄ちゃんには、わからない!私、朱美みたいになりたくない!」
「ハンナはセックスに依存してるわけじゃないだろ。」
「私、本当は、セックスする仕事なんてしたくない!普通の女の子に、戻りたいの!」
 ハンナは声を上げて泣いた。僕は、ハンナを抱きしめた。
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