SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~
10
『すごいね。私がいっぱい。』
君は感嘆の声をあげ、壁いっぱいに並べられた写真を見渡す。
銀座のスカイタワーL19のビル32階。
そこで俺の写真展をする事になり、今日はその前日。
会場に飾られたいくつもの写真の中に、君の笑う姿がある。
『写真集も完成したんですよ。見ますか?』
出版社の営業である朝香さんの言葉に、君は頷く。
『3種類もあるんだ?』
空、花、人の3つの題目で分けられた写真集を君は開く。
『綺麗な空ぁ。』
プロカメラマンになって2年。
まだ写真だけじゃ食っていけないが、賞賛される事には慣れてきた。
でも、君の素直な感想は、俺の心をくすぐる。
『これにも、私がいっぱいいる。
何だか、恥ずかしいけど、自分で言うのも恥ずかしいけど、
幸せそうで、何だかいいね。』
『ありがとう、しずく。』
『それじゃあ、キョウさん、僕は帰りますんで、明日、よろしくお願いします。』
朝香さんはそう言って、帰って行った。
俺達もその後ビルを後にした。
君は感嘆の声をあげ、壁いっぱいに並べられた写真を見渡す。
銀座のスカイタワーL19のビル32階。
そこで俺の写真展をする事になり、今日はその前日。
会場に飾られたいくつもの写真の中に、君の笑う姿がある。
『写真集も完成したんですよ。見ますか?』
出版社の営業である朝香さんの言葉に、君は頷く。
『3種類もあるんだ?』
空、花、人の3つの題目で分けられた写真集を君は開く。
『綺麗な空ぁ。』
プロカメラマンになって2年。
まだ写真だけじゃ食っていけないが、賞賛される事には慣れてきた。
でも、君の素直な感想は、俺の心をくすぐる。
『これにも、私がいっぱいいる。
何だか、恥ずかしいけど、自分で言うのも恥ずかしいけど、
幸せそうで、何だかいいね。』
『ありがとう、しずく。』
『それじゃあ、キョウさん、僕は帰りますんで、明日、よろしくお願いします。』
朝香さんはそう言って、帰って行った。
俺達もその後ビルを後にした。