何度でもキミに初恋を
部屋で音楽を聴いていると、
『剣人?いる?』
とあきの声がした。


『なに?』

『入るぞ』

『うん』


部屋に入ってきたあきは、何も言わずに俺を見ている。

『なんだよ』

『お前さ、すずちゃんのこと、嫌いなんだって?』

『な、なんだよ、いきなり。』

『嫌いなんだろ?』

『…別に…なんで?』

『すずちゃんが言ってたから』

『…あいつが?』

『剣人に嫌われたって泣いてたぞ』



あいつ…

俺は唇を噛んでうつむく。



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