何度でもキミに初恋を
カメラ係の子に呼ばれて、カーテンから出ると、教室はお客さんたちでいっぱいだった。


私たちは、ドレスの裾を直したり、撮影番号を渡したり、手が足りない係の補佐に回ったりした。



ドレスとタキシードを着たカップルが、自分のカメラをカメラ係に渡す。


『はい、笑って、笑って!新郎さま、顔が硬いですー。撮りますよー。』


カメラ係の子がシャッターをきる。




二人とも、少し照れ臭そうに微笑んでいる。


私はまた裏方に戻ると、カーテンの隙間からそっと様子を見ていた。

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