何度でもキミに初恋を
『剣人くん、ご指名でーす』



クラスメイトの女の子が俺を呼びにくる。


『…またかよ』

『お客さま、お待ちです』

俺はぐいぐいと控え室から連れ出される。

『剣人ー、がんばれー』

執事やメイドの格好をした、他のクラスメイトたちが、ヒラヒラと手を振っている。


『ちゃんと言うのよ。』

案内係に念を押されて、

『分かってるって…』


俺はお客さまである他のクラスの女の子に向かって、

『おかえりなさいませ、お嬢様』

棒読みで言う。



目の前の女の子たちは、キャーっと叫びながら顔を見合わせている。



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