何度でもキミに初恋を
朝から俺は


『剣人くん、ご指名です』

と呼び出され続けている。


ほとんど休憩もなく、ずっと同じ言葉を繰り返して。


『労働基準法に違反してるだろ。バイト代くれねーかな』


俺が呟くと、控え室にいたクラスメイトたちが、

『てか、剣人さ、すげー似合ってんだけど』

『卒業したら、執事になれば?』

『執事に就職決定!』



勝手なことを言って、ゲラゲラ笑っている。



『うるせー』


そう言いながらも、俺はこのクラスで良かったな、と思う。


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