何度でもキミに初恋を
『……へ?』
驚いたすずがあまりにも間の抜けた声を出したので、
俺はこんな時なのに、フッと笑ってしまう。
『聞こえなかった?』
『…き、聞こえた…けど…』
すずが俺の胸の中でモゴモゴと答える。
『……』
『……』
すずが何にも言わないので、そっとすずの顔をのぞきこもうとした。
すると、すずが急にぱっと顔をあげて、
『わ、私ね。剣人と一緒に学校に行きたい。剣人がしゃべってくれなかったらつまらない。剣人がそばにいないと寂しいの。私…私ね…』
『…うん』
『私…もしかして、剣人が好き……なのかな…?』
『…かな?…って言われても…』
すずはびっくりしたような顔で、自分の頬を押さえている。
『…うん、そうね…うん…そうそう…』
小さい声で、何か一人で話している。
俺は黙ってそんなすずを見つめる。