何度でもキミに初恋を
すずはまた俺の目をじっと見つめると、
『私ね、剣人のことが大好き』


と言って首に抱きついてきた。



全く予想してなかった行動に、油断していた俺の体がグラリと後ろに倒れる。


とっさにすずの背中と腰に腕を回して守ってやる。


すずが、俺を真上から見下ろしている。その目に、もう涙は浮かんでなくて、キラキラと真っ直ぐに俺を見つめていた。



『…んっ!!』


俺は思わずすずの頭を引き寄せると、その唇に自分の唇を重ねていた。



『…好きだ、すず…』

少しだけ、唇を離してそう言うと、また唇を重ねる。






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