何度でもキミに初恋を
それから、俺たちは、床に寝転んだまま、何回も何回も、数えきれないくらい、キスをした。


長くしたり、短くしたり、じらしたりしながら、何回も。


キスの合間に、すずが急に俺を呼ぶ。


『…あのね、剣人………んっ』

なかなか話さないので、じれったくなってまたキスをする。


『ま、待って。…あのね。私の初恋は剣人なんだよ』



…ここにきて、そのかわいい発言。

俺、崩壊。



『すずー』


俺もだっつーの。




俺がすずを抱き締めてまたキスをすると、すずは俺の頬に自分の手のひらをあてて俺を見つめる。


小さくて冷たい手だ。


俺はその手に自分の手を重ねて、そっと握る。




すずが優しく微笑む。



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