何度でもキミに初恋を
いつまでも、言い訳をして先にうちを出るのも疲れてきたので、次の日からはまた一緒に登校してあげることにした。


なんだかんだ言っても、かわいい幼馴染みだしね。



駅までの道を歩きながら、



『ねぇ、剣人って女子から人気あるんだって!?』

私は小さい弟をからかうような気持ちで剣人に聞いてみた。


『………』


『ねぇ、告白とかされたりしてるの?』


剣人が何も言わないので、しつこく聞いてみる。



『………』



『ねぇ、そういえば、好きな子とかいないの?』


『……』


『ねぇ〜ってば』


『…』


あ、無視ですか、
そうですか。


『…すずには関係ない…』




あ、なんかムカッときた。


そして、そのあとに、
チクっとした、気がした。


『それもそうね。』


私はプイと横を向いて、そのまま学校まで一言も口を聞かなかった。


なんなの?


あの言い方。


関係ない、ですって?


関係ないわよ、



ふーんだ。



剣人のバカ。


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