何度でもキミに初恋を
数学の授業をぼんやりと聞きながら、私は朝の剣人の態度を思い出す。



なんなの。


そんなに聞かれたくない質問だったのかな…。


もしかして…


もしかして、だけど…


男性が…好き…とか…?



『…はっ!!』



あまりにもぼんやりしてたらしく、気がつけば数学の先生が目の前で仁王立ちしている。


『す、すみません…』


何も言われてないけど、とりあえず謝ってみる。


授業はもう終わっていた。


『篠崎、お前来週、追試決定』


『ええぇ…どうして!…ですか?』


『こないだのテスト、ひどい点数だったろ。このままだとお前、確実に留年するぞ』



そ、そうだった…

篠崎すずか。
16歳。
こないだの試験で数学28点でした…。



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