何度でもキミに初恋を
『できたぁぁぁぁー!!』



パッと顔を上げて、すずは握りしめた拳を上に伸ばした。


『見せてみ』



何回も何回も消ゴムで消しては書いたプリント。


全問正解だった。



『よく出来ました』


誉めてやると、
ほっぺたに両手をあてて、にまにましたあと、
急にキリっとした顔をした。


『剣人も、わからないことがあったら、私が教えてあげるからね!!』
と力強く言い出した。


どうやら、年下である俺に勉強を教わったことで、少々プライドが傷付いているらしい。
必死で年上ぶろうとしている。


『駅のところのファミレスの裏メニューとかね!!』


いや…別にいいし…


と、思ったけど、調子に乗ってるすずが面白くて、話を合わせる。



『まじで!?そりゃ嬉しいな』

『でしょでしょ!!他にもね、いろいろ、あるの。』



ほんと、単純だな、こいつ。

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