何度でもキミに初恋を
急に空が暗くなった気がして、時計を見ると、もう六時を過ぎていた。


今にも雨が降りそうで、いつのまにかグラウンドにも誰一人残っていない。



『やばい、早く帰ろうぜ』


誰もいない廊下を二人で走る。


靴をはきかえ、外にでると、黒い雲がもうそこまで来ていた。


『すず、走れ』

『う、うん』


校門までダッシュしようと思ったが、
グラウンドを半分いったところで振り返ったら、すずはだいぶ後ろをパタパタと必死で走っていた。


荷物を持ってやらなきゃ…
ほんと、あいつどんくさい…



そう思いながら、すずのところまで戻ってきたとき、
雨が振りだした。


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