何度でもキミに初恋を
空が暗くなってきた時に、
もしかして、って気はしてた。
雨が降りだした時にも。



ゴロゴロゴロゴロ…



ピカッ




『きゃああぁぁぁ!!』



私は耳を押さえてうずくまる。


『な、なに?』

剣人は雷よりも、私の悲鳴に驚いたみたいで、私の方に近づいてきた。


『あ、すず、雷が怖いんだっけ』


怖いなんてものじゃない!!


私はそっと耳から両手を離すと今度はおへそに手をあてる。


『…ぷっ!!なにそれ。雷にへそ取られるとでも思ってんの?』


剣人に思いきりバカにされたけど、私は震えながら、剣人に言う。


『なに言ってるの?剣人も早くおへそ隠しなさいよ…』


『…お前、ほんとにバカだよな』



うっ…!!



いや、でも今はそれどころじゃない。


つ、
次にゴロゴロなったら…



その瞬間、



ゴロゴロゴロゴロ…


私は思わず、おへそに当てていた両手を離し、右手を剣人のおへそあたりに、左手で自分のおへそをガードする。


『なっ、なにすんだよっ』



剣人が慌てて後退りしようとするので、私は叫ぶ。


『怖いよっ。剣人、お願い!私の耳を両手でふさいで!』


『はぁ?』


『お願い、お願いします!一生のお願い!!』



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