何度でもキミに初恋を
『でさ、いろいろ、考えてたんだけどね』



私はお弁当をもりもりと食べながら、綾ちゃんに話す。


『熱があったから、あんなことをしたんだと思うの。』



綾ちゃんは小さいお弁当をゆっくりと食べながら、

『熱?』


と聞き返す。


『そう、ほら、熱がある時ってさ、変な夢みたり、変な行動しちゃったりするじゃない?』


『変な夢?』


『うん。私はね、いつも巨大なアメリカンクラッカーに必死にしがみつく夢を毎回見るんだよねー』



『…はぁ?アメリカンクラッカー…?』


『そ、アメリカンクラッカー』



綾ちゃんはずずず…と紙パックのイチゴオレを飲みながら、

『で、すずは結局、そう思うことにしたわけだ』


『思うことにした、っていうか、そうなんだよ』


『ふーん…』



綾ちゃんはニヤニヤと笑いながら、お弁当をしまうと、


『あ、そ。了解』



と言うと立ち上がる。
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