何度でもキミに初恋を
担任のやる気のないホームルームも終わり、篤史と駅に向かって歩いていると、すずと綾先輩に会った。


『綾先輩ー、どこに行くんすかー』

篤史が素早く綾先輩に駆け寄る。


綾先輩は、
『うわ、来た』と言いながら、すずの後ろに隠れようとしている。


『明日カラ、夏休ミデスネ!!』

篤史はなぜかロボットの真似をしながら、綾先輩に話しかける。


『……』

綾先輩は無視をすることにしたらしい。

『すずチャンと綾先輩ハ花火大会ニ行クノデスカ?』


本当にこりないやつだ。



『ヨカッタラみんなデ一緒ニ行キマセンか?』



『みんな?みんなって誰だよ!?』

俺は思わずロボットと化した篤史に声をかける。


『みんなトハ僕、剣人、すずチャン、綾先輩の四人デス』



『ハァ?』
『ハァ?』


俺と綾先輩の声が揃った。

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