何度でもキミに初恋を
花火
なんだかんだじゃれあう二人を見て、俺は小さく笑う。


綾先輩はあいつのことを『うるさいチャラ男』と思ってるかもしれないけど、篤史は見た目ほどチャラい男じゃない。
むしろ、女の子に対しては真面目だし、一途だ。
まぁ、うるさいのは確かだけど。



花火会場に向かう人たちで、駅前はますますごったがえしてきた。

俺たちは、花火会場にむかうことにした。


花火会場の入口に近付いた時、左の腕に重みを感じて、何気なく見ると、すずが俺の浴衣の袖を握っている。


俺は気付かないふりをして、でも確実にゆっくりと、なるべく人が少ない道を選択しながら歩いた。
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