何度でもキミに初恋を
『柚樹先輩ってさ』

朝、駅までむかう途中で、私は昨日あったことを剣人に話す。


『重い荷物とかさらっと持ってくれたりするの。』

『ふーん』

『ドア開けて、先にどうぞ、とか言うの』

『ふーん』


そういうのって、欧米かっ!!って感じじゃない?
そう言おうとして、


『む?剣人?聞いてる?』


剣人の顔をのぞきこむ。


『聞いてない』

『剣人くんのお耳は日曜日なのかなー』


私が背伸びして剣人の耳を引っ張ると
『や、やめろっ』


と怒って先に行ってしまった。


なによ、もう。

今日は委員の集まりがないから、帰りにアイスクリーム食べに行こう、って言いたかったのに。


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