何度でもキミに初恋を
『はいはい、なんでしょう?』


『昼休みにごめんね。長テーブル、結局全部つかうんだっけ?』

『あ、確か、一脚?一台?一本?テーブルってなんて数えるんでしたっけ?』

私は首を傾げる。

『よくわからないんですけど、とにかくひとつ余るんです』

私は指を一本立てながら答える。




『そっか、ありがとう。他の子に聞いてもはっきり覚えてなくてさ。助かった』

柚樹先輩は白い歯を覗かせながら、ニコニコしている。


私はその爽やかな笑顔を見ながら、考える。


柚樹先輩はかっこいいし、剣人もかっこいいけど、二人は系統が違うみたい。


剣人はもっと二重がはっきりして、犬みたいな感じだけど、柚樹先輩は、なんていうか、犬っていうより猫…じゃないな、なんて言うんだろ…


『…な、なに?』


気がつくと、柚樹先輩が少し驚いた顔をして私を見ている。


剣人との違いを考えていて、ジーっと柚樹先輩の顔を見つめていたみたい。


『あ、すみません。なんでもないです。』


私は謝ると、綾ちゃんのもとに戻った。

< 86 / 143 >

この作品をシェア

pagetop