何度でもキミに初恋を
言葉
ぐすん


鼻をすすりながら、私は帰り道を急ぐ。

早く自分の部屋に帰って、思いきり泣きたかった。



今日の午後…


剣人に思いきり避けられてしまった。


今までもずっと避けられてたけど、今日のは本当にあからさまな避けかただった。


私はあのあと、クラスに戻ると綾ちゃんを呼び出し、めそめそと泣いてしまった。


綾ちゃんは珍しく優しくて、抱き締めて話を聞いてくれた。


最後まで黙って聞いてくれた綾ちゃんは、
『何か、お互いに勘違いをしてるようね…』
と言ったけど、詳しいことは聞いても教えてくれなかった。

ただ、

『こういうのは人に教えてもらうことじゃないのよ。』

綾ちゃんはそう言って、優しく微笑んだ。

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