それでもキミをあきらめない
わたしを、星野彗に会わせたくなかった?
星野彗が、わたしの見せかけの外見を気に入ったから?
高槻くんはそれが気に入らないの?
たかが、罰ゲームで一緒にいる女なのに?
星野彗の頭を容赦なくひっぱたいている高槻くんの、細くて大きな背中を見つめながら、なにか黒いものが胸の中でうずを作り始めていた。
どうしようもない地味ブスなのに、おしゃれして、メイクして、見た目ががらりと変わったとたん、態度を変えるの?
嫉妬までするの?
胸の底から真っ黒な炎が噴き上がった気がした。
かすかな喜びとともに。
真っ黒な、喜びが――――。