それでもキミをあきらめない
足元に伸びた影が、置いていかれないようにと、彼を追いかけているみたいで、
わたしは何故か胸が痛くなった。
「どうやって、変われたの?」
高槻くんの過去の気持ちが、自分の過去と重なった気がした。
消えてなくなりたいって、思ってた――
ひとりぼっちの世界で、いてもいなくても同じ、わたしなんて――
夕日に向けていた目をわたしに注いで、高槻くんは小さく笑った。
白い歯をのぞかせた、くしゃっと崩れるような笑い方。
そんな弾けるような笑顔を目にするのは、彼を見つめて以来はじめてで、鼓動が高鳴る。
「救ってくれたヤツがいたんだ」