それでもキミをあきらめない
門の前に立つ高槻くんの顔色は悪かった。
目を合わせるのも気まずくて、わたしは彼の横をすり抜けて駅へと歩き出す。
すると、彼はすぐ傍らを追いすがるようについてきた。
「小塚、あのさ」
「もういいよ」
高槻くんの声を聞くと、胸が痛い。
わたしは両耳を塞ぎたい衝動をこらえながら立ち止まった。
道路の真ん中で、高槻くんも足を止める。
「わたし、知ってたの。罰ゲームだったこと」
「小塚、それは」
「ずっと好きだった、なんて……ひどい嘘」
高槻くんとはじめて顔を合わせたのは、罰ゲームで告白される一週間前、
ペーンケースを拾ってくれたときだ。
ずっと好きだった、なんて、よく考えたらおかしい。