それでもキミをあきらめない
いつも強くてまっすぐの声は、こころなし震えている。
「俺を、ずっと想ってくれてたって……」
高槻くんは信じられないことをつぶやいた。
「小塚の、となりの席の子が言ってた」
「……朝子ちゃんが?」
思わず振り向いてしまった。
真っ黒な瞳とまともに目が合って、心拍数が上がる。
信じられなかった。
いい意味でも悪い意味でも、他人に関心のない朝子が、
わたしの気持ちを、高槻くんに勝手に伝えるなんて。
「小塚は、俺のこと……」
つかまれたままの腕が熱い。
熱がウイルスみたいに全身に伝わって、身体が燃えてしまいそう。
高槻くんの、悲しそうな顔を見ると、胸が痛い。
それでも。