それでもキミをあきらめない
わたしが頑張っておしゃれをしても、『殻』は結局なくならない。
それは、わたしを明るい外の世界へは行かせてくれないのに、
外部からの攻撃はそのままの威力で通過させて、わたしを傷つけようとする。
重い足取りのまま1年2組の教室に向かい、開きっぱなしの教室のドアをくぐろうとした瞬間だった。
「つか、小塚うぜぇー」
真ん中の席に集まった派手な女子たちから、見えないナイフで切り付けられ、
あわててドアの陰に隠れる。
「急に色気づいちゃってバカじゃね」
「そうそう、無理してんのバレバレだし」
朝の些細な雑談というふうに、きゃははと明るい笑い声が響いてくる。
話しているのは一部の女子だけなのに、教室全体がわたしを拒絶しているみたい。
胸の奥に、鈍い痛みが走った。