それでもキミをあきらめない
中学生のときに家に閉じこもったときの記憶がよみがえった。
学校に居場所がなくて、ひとりでいることがつらくて、部屋に閉じこもった過去の自分。
もう、お母さんには心配かけないって、約束したんだけどな……。
ドアにもたれて、わたしはため息を漏らした。
気が付けば、足が震えている。
復讐だなんて言って、こんな格好するから、バチが当たったのかもしれない。
それとも、高槻くんを苦しめた報い――?
教室中に響き渡る笑い声がいくつも身体に突き刺さる。
女子たちのおしゃべりは、やむ気配がなくて、
もう帰ろうかな、なんて考えたときだった。
ひときわはっきりとした声で、ひとりの女子が声を上げる。
「何を笑う?」
その口調にぎくりとして、わたしはドアのガラス窓からそっと教室内をうかがった。