それでもキミをあきらめない
「見た目がドストライクなの! 髪型も背の高さも、スタイルも、顔の形も、目鼻立ちのバランスも!」
興奮気味にまくしたてると、あきれた声が水を差す。
「髪型なんていつ変わるかわかんないし、身長だって伸びるし、急にデブるかもしんないし、喧嘩して顔面ぼこぼこになったら顔つきだって多少――」
「そういうんじゃなくて」
勉強にしか興味のない彼女にはきっと、この感情は分からない。
「そういう、わたしの好みにカスタマイズする彼のセンスが好きっていうか、見た目もひっくるめて全部が好きっていうか」
ほかの4人みたいに女の子にすぐ笑いかけないところとか、むしろ表情がなくて何を考えてるかよく分からないところとか。
仲間と話をしているようで、じつは花壇の花を見てたりするところとか、ぼうっと空を見上げてるところとか。
「あんな華やかな連中のなかにいるのに、浮いちゃうくらいマイペースなところが凄くいい」