それでもキミをあきらめない
わたしの手には、高槻くんのクラスの美味しくないパスタがある。
これは、学園祭という魔法がもたらした夢だ。
いつまでもその世界に浸っていたら、現実に戻れなくなってしまう。
わたしは、自分の立場をきちんと、わきまえなきゃいけないのだ。
こんな地味ブスが、いつまでも高槻くんのとなりにいていいはずがない。
目に浮かぶみたいだ。
――勘違いしてんじゃねぇよブス
――本気にしてやんの、最上級のバカだな
――レオがあんたなんかを相手にするはずないでしょオ
星野彗やグループ内のほかの連中、周りの女の子たちの声が、剣となってわたしに振り下ろされる。
夢の世界から出なければ、いつか遠くない未来にそれらの刃を向けられる。