幸せにする刺客、幸せになる資格
ホームページは完成し、あと商品の在庫や新作の登録等は自分達でやる。

ジュースとジャムの加工は隣町の工場に委託をし、在庫管理と発送は僕達がやる。
シードルについては無事酒類の販売許可が下りたので、別の加工業者と契約した。

そうなると、在庫を管理するスペースが必要となり、蜂矢の爺ちゃんから生前贈与を受けていた隣の空き地に加工品用の倉庫を作ることにした。

簡易的な建物だと品質が落ちるので、きちんと居住用の建物のクオリティーで建てる計画。

そこに、発送用にラベルを印刷するためのパソコンとプリンターを亜香里が職場から安く譲ってもらい、搬入をしてもらう予定だ。

今年はまだ間に合わないので、うちの空き部屋と、爺ちゃんの家の空き部屋に置かしてもらうことになったけど、来年には新しい建物に納めることができるだろう。

こうして着々と新しいりんご園としての環境が整っていく。

12月になった。
収穫も加工品の出荷もひと段落ついて、世間はクリスマスのシーズン。

大和が欲しいクリスマスプレゼントは、本人がはっきり"サッカーボール"だと言っている。
サンタはいないと分かっており、直接僕におねだりしてきた。

夢のない子供だとは思いながらも、ねだられているうちが華だと考えることにした。
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