初恋の絵本
「というワケで、本日は餃子を作ろうと思います」
「おお。美味そうだな餃子」
「でしょ」
「でもな」
「なに」
「餃子の皮買ったか?」
「あ」
そう言えば買うの忘れた。
「気がついてたなら言ってよ」
「なに作るか聞いても教えてくれなかったのはどこのアホだ!」
「ナイショにしたい年頃なの」
ˉ̞̭(′͈∨‵͈♡)❤︎ってしてみたけど
シカトされて悲しい。
「…皮がなきゃ餃子が作れんことくらい、料理ができない俺でも分かるぞ。今日はもうカップラーメンでいいか」
「ちょい待ち!皮がなければ作ればいいのですよ」
「どうやって」
「彰吾が頑張って」
「………」
無言で私を押しのけて、
カップラーメンを取り出そうとした
彰吾を慌てて止める。
「ごめんなさいすみません手伝うからカップラーメンはやめようよ!」
「腹減ってるんだよ」
「いいから!小麦粉と塩と水用意して!皮作るよ‼︎」
棚から小麦粉を取り出し、
まな板にザーッとぶちまけた。
「ああー!」
「もう後には戻れないわよ私達……」
「てめえ」
彰吾に睨まれながら、
勢いで生地をこね始めた。
腕が疲れたから、
途中で彰吾と交代して
生地をねってもらう。
流石、男子。
あっという間に生地が
いい感じに仕上がっていく。
「これくらいでいいよ」
「そうか」
「で。ここで残念なお知らせがあります」
「……なんだよ」
「冷蔵庫で生地を30分寝かせなければなりません」
「おい…なんだそれ。近所のスーパーへ皮買いに行った方が早かったんじゃないな……」
「その前に夕飯がカップラーメンになってると思ったの!」
「ふざけんなよ‼︎」
「ふざけてないし!私だってめちゃくちゃお腹すいてるし!」
「知るか‼︎」
言い争ってる間に
30分たったので、
彰吾は皮を丸く延ばす作業。
私は餃子の餡を作る作業を
することになった。
喧嘩したり笑ったりしながら、
料理する。
いつもこんな感じだ。