初恋の絵本




確かに、よく見ると「晴太」の方が
背が少し高く華奢だった。


意識したらわずかだけど、
違っている。


別々の人間だから
当たり前なんだけど。


気づけなかった自分が悔しい。






「おい。同じ顔が二つもいたら目立つ。行くぞ」

「彰吾……」

「晴川彼方に知られたくないんだろ?晴太」

「………」




もうハルと呼んでくれない彰吾に、
…晴太は、黙って頷いた。







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