初恋の絵本
ストーカー事件
「昨日のハルのこと知ってる?」
二時間目の体育の時間。
若干おサボり気味の私の妃ちゃん達は、
フェンスにもたれかかっていた。
「正直イケてないよね。ハル。ちょっと昨日のはひいちゃった。心実、あの時いなかったんだっけ?」
「……………」
「サッカー強いのもわかるけど。上級生バカにしすぎ。最初は強気でカッコいいって思ってたけど、あそこまでいくと性格悪いよね。心実への態度とか心配になるよ」
昨日のは確かに言い過ぎだとは思う。
けど、そんなことより。
私は……。
「そいや、心実さあ。この前琥珀に盗撮されてたよね」
「なにそれ⁉︎知らないよ!」
「私も知らなかったんだけど、琥珀の近くにいた人が気付いて。注意したら『心実さんに憧れてるんですぅ』ってデジカメ持って逃げたらしいよ。キモいよね」
「………意味分かんない」
「琥珀に次会った時聞いてみなよ」
「……うん」
「あんた、琥珀にかなり悪評ばら撒かれてるみたいだよ」
「うそ……。なんで……」
「嫉妬じゃない?でもさあ。ハルもハルだのね。なんか琥珀に甘いし。あの人のああゆうところも、嫌い。もっと彼女を、大切にしろって感じ」
「………」
なんなんだろ。
私の周りで不思議なことばっか。
聞きたいことだらけで、
嫌になる。