初恋の絵本
そう思っていると。
校庭に琥珀ちゃんの姿を見つけた。
また、ハルの試合見に来たのかな。
琥珀ちゃんはなんて一途なんだろ。
琥珀ちゃんの思いは、
真っ直ぐハルに向けられている。
私だったらフられたら、
きっと諦めてしまう。
ずっと好きではいられない。
考えるだけで、苦しい。
でも、琥珀ちゃんは。
拒否られても、
彼女がいても。
ずっとハルのことが好きだ。
好きで好きで。
どんなことがあっても
好きなんだと思う。
「琥珀ちゃん。今日も来てるね。なんかすごいなあ。ハルのこと大好きなんだね。それに比べて私ってひどい彼女だね」
「うわ。また来てるんだ。でもあそこまでしつこいと、どうかと思う」
私につられ、
窓から琥珀ちゃんを見た
妃ちゃんの動きが止まった。