初恋の絵本




彰吾のバイクの後ろに乗せてもらい
ハルの入院いている病院に向かう。



でも、真っ先に連れて行かれたのは
整形外科だった。





「………全治一週間だって」

「顔に傷が残らないって言われて、よかったな」

「うん…」

「お前の取り柄は顔くらいなんだから、気をつけろよ」

「……………」

「なんだよ。笑えよ」

「こんな状況で笑えないよ」

「こんな時だから笑うんだろ⁉︎いいから笑え。無理してでも笑え。
口角を上げるだけでストレスが緩和させる脳内物質が分泌されるから笑え」

「……え、えへ……」

「うわブサイク。やっぱ笑うな」

「ひどい!一生懸命笑ったのに!」

「あー。それだそれ」

「え?」

「やっと、いつもの心実らしくなった。うん。それでいい」






そうやって、私を見て笑う彰吾を見たら、つられて、私も笑顔になった。




「診察も終わったし、そろそろ行くか」

「どこに?」

「晴川の病室に決まってんだろ」

「……うん。でも、私たちが行っていいのかな?」

「まあ最悪、俺は帰る」

「彰吾」






エレベーターにのり、
ハルの病室のある階で降りた。







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