初恋の絵本
「は?お前好きなヤツなんていないって言ってたじゃん。それともなに?ルミナスのキラリくんの苗字は春川だからですか?」
「いないよ。でもいるよ」
「どっちだよ!」
「いるんだけどいないんだもん」
「ワケが分からん!」
「初恋のね。男の子」
「いつ?」
「小学生の時」
「……ああそうかよ。餃子残さず食えよ」
「ああ!バカにした!」
「そんなん恋愛じゃねえし!」
「……違うの?」
「違う」
キッパリと言い切られ
肩を落とす。
ならば、恋愛とはどんなものだろう。
あれが恋じゃないと言うのなら、
なんだったんだろう。
ハル?
この世界に探したらいる?
君と再び会うことができたら、
私は恋を知るのだろうか。