初恋の絵本
ღ .:*・゜♡゜・*:.ღ .:*・゜♡゜・*:.ღ .:*
待ち合わせのカフェについた。
阿久津くんはもうついていて
中央のテーブルに座り
私に向かって大きく手を振った。
受付でコーヒーを頼み、
ミルクを入れるのがめんどくなり
そのまま飲むことにした。
「久しぶり」
「ほんと久しぶり〜!心実ちゃん、相変わらずカワイイわねえ」
「やだ。阿久津くん、喋り方面白い」
「あはは。最近キャラ変えしたのよ〜!」
「そうなんだ。外見男らしいのに、中身女だと違和感あるね」
「そのギャップがいいのよ!」
阿久津くんって精悍でカッコいいのに。
なんか、ヘン。
だけど、楽しい。
「あはは。楽しい。久々に楽しい」
「そうなの?なにかあったの?」
「ううん。最近笑ってない気がしたから」
久々に笑うと、顔が強張るのを感じる。
笑うって難しいのかも。
「それはよくないわよ〜!女の子は笑顔が大事なんだから。いい?口角をあげるとね、脳内物質が出て幸せホルモンが分泌されて良いんだからっ!!」
「それ、前に誰かに言われたことあるなあ」
「いいから笑う!はい!」
「………え、えへ」
「………可愛くない」
「じゃあもう、笑わない!」
「嘘よ。可愛いわよ。心実ちゃんはいつも可愛い!本当よ⁉︎」
「あは。ありがと」
あ。私、今、自然に笑えたよ。
「だけど、遅いわね〜」
「遅い?」
「彰くんよ。ちゃんと時間伝えたのに〜!」
彰吾もくるんだ。
ドキンと胸が痛くなる。