初恋の絵本





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待ち合わせのカフェについた。






阿久津くんはもうついていて
中央のテーブルに座り
私に向かって大きく手を振った。





受付でコーヒーを頼み、
ミルクを入れるのがめんどくなり
そのまま飲むことにした。








「久しぶり」

「ほんと久しぶり〜!心実ちゃん、相変わらずカワイイわねえ」

「やだ。阿久津くん、喋り方面白い」

「あはは。最近キャラ変えしたのよ〜!」

「そうなんだ。外見男らしいのに、中身女だと違和感あるね」

「そのギャップがいいのよ!」






阿久津くんって精悍でカッコいいのに。

なんか、ヘン。

だけど、楽しい。








「あはは。楽しい。久々に楽しい」

「そうなの?なにかあったの?」

「ううん。最近笑ってない気がしたから」



久々に笑うと、顔が強張るのを感じる。

笑うって難しいのかも。





「それはよくないわよ〜!女の子は笑顔が大事なんだから。いい?口角をあげるとね、脳内物質が出て幸せホルモンが分泌されて良いんだからっ!!」

「それ、前に誰かに言われたことあるなあ」

「いいから笑う!はい!」

「………え、えへ」

「………可愛くない」

「じゃあもう、笑わない!」

「嘘よ。可愛いわよ。心実ちゃんはいつも可愛い!本当よ⁉︎」

「あは。ありがと」







あ。私、今、自然に笑えたよ。










「だけど、遅いわね〜」

「遅い?」

「彰くんよ。ちゃんと時間伝えたのに〜!」










彰吾もくるんだ。



ドキンと胸が痛くなる。









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