初恋の絵本
“好き”
一度芽生えてしまった感情は、
なにをどうしても殺せない。
無理だよ。
諦めてよ。
忘れてよ。
彰吾に彼女ができた。
見事に私の失恋。
もうやめよう。
それでも、どんなに宥めても
私の心は嫌だと言う。
携帯でTwitterを、見る。
『彰くんだけじゃない。心実ちゃんには、もっと……幸せになって欲しいんだ』
阿久津くんの声が響く。
その後に言ってた言葉を
何とか思い出す。
『俺がフォローしてる、晴太って名前。
一人だけだから。……アイツのだから』
晴太。
私、どうすればいい?
自分で変わったって思ってたけど。
弱いままの私だよ。
もう、あなたに頼るのはやめようって。
ダメだよ。
忘れよう。
……また傷つくよ。
知らないよ?
自分に対する警告を無視して。
私は阿久津くんのフォローのリンクを押した。